貸金業者には取引履歴の開示義務があるという判例。

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過払い金返還請求の裁判例

~ 貸金業者の取引履歴開示義務 ~

平成17年7月19日最高裁第三小法廷判決

■ 問題点&争点

取引履歴を開示しないことが損害賠償請求の対象となるか。言い換えれば、貸金業者に取引履歴の開示義務があるのか否かが争われた事案です。

■ 判決要旨

一般に、債務者は、債務内容を正確に把握できない場合には、弁済計画を立てることが困難となったり、過払金があるのにその返還を請求できないばかりか、更に弁済を求められてこれに応ずることを余儀なくされるなど、大きな不利益を被る可能性があるのに対して、貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易であり、貸金業者に特段の負担は生じないことにかんがみると、貸金業者は、債務者から取引履歴の開示を求められた場合には、その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り、貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として。信義則上、保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。

そして、貸金業者がこの義務に違反して取引履歴の開示を拒絶したときは、その行為は、違法性を有し、不法行為を構成するものというべきである。

■ 判決のポイント

取引履歴の不開示は違法であると判断されました。今でこそ取引履歴の開示は言わば当たりとなっておりますが、当時は、取引履歴の保管義務については法定の義務となっているものの、開示については、ガイドラインで「協力する義務」が定められているに過ぎませんでしたので、これを法律判断として開示義務があると認められたのは画期的でした。