残高無視計算、残高ゼロ計算、冒頭無視計算、冒頭残高ゼロ計算に関する判例。

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過払い金返還請求の裁判例

~ 残高無視計算(取引履歴の途中開示) ~

平成19年2月18日神戸地裁判決

■ 問題点&争点

消費者金融が、取引当初からの取引履歴を全て開示せず(途中開示)、開示された取引履歴の当初の残高が残ってしまう場合において、この初回の貸付残高を0円(残高を無視)としてその後の過払い金の計算を行うことが認められるかの問題です(残高無視計算、残高ゼロ計算、冒頭無視計算、冒頭残高ゼロ計算などと呼ばれています)

■ 判決要旨

初回の弁済に係る給付保持権限(旧債務)の存在につき、被告は積極的な事実主張をしないし、証拠もその存在も明らかにしない。

弁済として受領した給付については、給付の保持を主張する債権者がその主張立証を負うべきと解される。

弁済の一部又は全部が不当利得(過払金)であるとしてその返還が求められた場合、債権者は、給付保持権限(債権)の発生原因事実の主張立証を、弁済者は当該給付保持権限の発生障害事実や消滅原因事実の主張立証責任をそれぞれ負うと解される。

■ 判決のポイント

  1. 初回に取引の残高があったことの立証責任は、貸金業者にあり、これを立証できないのであれば(取引履歴の全開示ができないのであれば)、初回取引(貸付)の存在は認められないので、初回残高を無視した計算によることが相当といった趣旨の判示がなされました。
  2. 未開示部分が1、2年とか数ヶ月とか、短期間しかないことが明らかな場合にまで残高無視計算を主張することは乱暴であり、裁判所もそれを認めることはありません。この場合は、推定計算により算出した金額を請求するといったことを検討する必要があります。